順天堂大学附属順天堂医院呼吸器外科教授の鈴木健司は、胸腔ドレナージの安全性を高めるために、拡張現実の技術を医療に応用することを目指してきました。これまで寄付金を原資としてプロジェクトを進めてきましたが、実用化に向けてさらなる事業推進のために株式会社を設立しました。
社名の「ソラセンテス」は、ラテン語で胸腔穿刺という意味である”Thoracentesis”が由来です。胸腔穿刺というのは胸の中の空間(胸腔)に貯留した液体や空気などの異物を体外に排出するという医療行為を指し、ギリシャ時代から変わらない外科における原理原則である「切開・排膿・ドレナージ」のドレナージに相当します。
胸腔ドレナージは、臨床現場において日常的に行われている診療行為ですが、死亡事例が後を絶たず、厚生労働省事故調査委員会からも度重なる警鐘が鳴らされています。それにもかかわらず、日本のみならず、世界中で重症合併症がなくならないのが実情です。この状況を打破するために拡張現実の技術を用いて臨床現場のリスクを減らし、患者・臨床医に貢献する医療機器を提供することを目指します。